無茶々園の畑で採れた少量の品種の柑橘類を、これまでは搾汁してジュースにするばかりでしたが、せっかく果皮がしっかりした柑橘も多いことからマーマレード作りを始めました。原料とする柑橘の種類が変わっても、その柑橘の風味を生かし、増粘多糖類など食品添加物を使わず少量の砂糖でじっくり煮詰めるというレシピやコンセプトを変えず、さまざまな品種のマーマレードを揃えました。

無茶々園で栽培した柑橘類を、サトウキビの糖度を加えてじっくり煮詰めたマーマレードです。砂糖の配合量を少なめにし、時間を掛けて40〜45度の糖度を目安に煮詰めていきます。砂糖が少ない分煮詰めて糖度をあげるにも手間がかかりますが、そうすることで、一般のマーマレードよりも糖度の低い、いわゆる低濃度のマーマレードが完成します。

増粘多糖類など食品添加物の添加を行わず、柑橘の内皮に含まれる天然の「ゲル化剤」と言われるペクチンでとろみをだしていますので、さらっとした柔らかい食感になっています。この作り方にこだわるのは、無茶々園の柑橘類が持ち合わせる、それぞれの個性をしっかり感じることができるからなのです。それぞれ柑橘の味わいと香りをじっくり味わってください。

パンやスコーンにたっぷり塗ってもいいですし、ヨーグルトやお菓子につけるのもおすすめです。クッキーやパウンドケーキなど、お菓子の生地に練り込んでいただいてもお楽しみいただけます。

一般的なマーマレードに比べ低糖度の無茶々園のマーマレードは、お料理にもお使いいただけます。スペアリブや鶏肉と一緒に煮ると美味しいマーマレード煮のできあがり。熱い紅茶にスプーン２〜３杯ほど落として、ホットマーマレードティーなどにしても。

甘みと酸味のバランスがよく、その香りの良さがたまらない伊予柑。果汁のみを使って、煮詰めることで柑橘の上品な甘さと豊かな香りを味わうことができます。

伊予柑は、明治時代に山口県で発見されたと言われていますが、特に愛媛で盛んに栽培されていることから伊予の国にちなんで「伊予柑」と呼ばれるようになりました。果汁たっぷりながら弾けるような果肉の食感です。また香りが良く、伊予柑と似かよった品種がないのも特徴的です。

ほろ苦い甘夏の果皮とパルプ（外皮内部の白いワタや内皮の部分）を主に使い、香りの良い伊予柑の果汁とサトウキビの粗糖を加えて煮詰めました。果実のしっかりとした風味と粗糖のコクが生きたマーマレードは無茶々園ならではの味わい。

夏みかんの枝代わりとして誕生した甘夏は、夏みかんより酸味が少なく食べやすいことから昭和30年頃に各地へ広まっていきました。もともとは文旦の血を引いており、大きさや果肉、独特の苦味といった文旦の特徴を持ち合わせたうえに、爽やかな酸味が甘夏の特徴です。厚みのある外皮、爽やかな酸味にほろ苦さを持ち合わせる甘夏は、マーマレードの材料としてもうってつけです。

ほどよい柑橘の香りと苦味があり、酸味が少ないひょう柑は、やさしい味わいのマーマレードに仕上がりました。弓削瓢柑（ゆげひょうかん）を略した通称が、ひょう柑です。縦長の特徴的なかたちが印象的な柑橘、文旦の仲間で、昔から細々と作られてきた品種です。ひょう柑の果皮は柔らかく厚みがありますので、マーマレードにうってつけの材料です。薄くスライスした果皮、果汁を使って粗糖のみでじっくりと炊き上げることで、ひょう柑のもつ香りや甘みをしっかり味わうことができます。

詳しい来歴がは分からないながらも、文旦（ザボン）系の一種で、かなり昔から存在していたと言われる弓削瓢柑。台湾から九州に渡ってきたとも言われています。特徴的な見た目で、柑橘類の中でも珍しく、縦に長いたまご形をしています。黄色い外皮や甘く爽やかな香りは文旦系ならでは。厚めの皮をむけば、ジューシーさもありながらも食べやすい、程よく締まった果肉が現れます。ほろ苦く爽やかな風味でありながら、糖度がのっていますのでしっかり甘さも感じることができます。

そのまま食べるのではなく、香りや酸味を楽しむ香酸柑橘の一種とされる、橙オレンジ。酸味が強く、果汁のよい香りが特徴的です。

マーマレード発祥の地、ヨーロッパでペクチンが多く含まれる果皮の食感の良さと豊かな香りから、定番の材料として親しまれているビターオレンジ。橙（だいだい）はビターオレンジと同じ起源をもつ品種で、明浜（あけはま）では「かぶす」とも呼ばれています。風味の良さと酸味を活かして、ポン酢の原料としても、お正月に玄関先などに飾られる注連縄（しめなわ）にも使われる、なにかと縁起のよい柑橘です。

時代や田舎の風景が変わっても自分達の生活や信念は変わらない。愛媛にある無茶々園は、できるだけ農薬や化学肥料に頼らず、みかん作りをしています。化学肥料は使わず有機物で育てる。雑草対策は人の手で行い除草剤は使わない。農薬にはできるだけ頼らずに、使用する場合にも環境を考えて有機栽培で認められているものを優先する。柑橘が実を結ぶのは一年に一度だけ。やむをえず農薬を使用することがあっても、一年に渡る栽培期間の中で最低限に抑えるように取り組んでいます。

無茶々園は環境破壊を伴わず、健康で安全な食べ物の生産を通して真の自然や環境と協調した生活をしながら、町作りを目指す運動体です。

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