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love letter from K. Season6「旅」 VACO

ストア:KOZLIFE掲載日:2022/09/29
コンセプター・和田健司さんによるエッセイ「love letter from K」。
KOZでのお買い物がもっと楽しくなるヒントをお届けします。

記録の片付け

何もしないぞと決めた日の朝は、アラームをかけずに寝れるだけ寝たい。そういう日に限って、いつもと同じような時間に起きてしまうんですよね。なんだか悔しいので、朝ご飯を食べてから、もう一度寝室でゴロゴロすることに。いつもより少し枕を高めにして、スマホを眺める。SNSもYouTubeも見飽きたし…とふと写真アプリに手が伸びる。これどこで撮った写真だっけ?なんて数枚見ている内に、時はどんどん遡っていき、懐かしい写真ばかりが現れます。フォトライブラリーをスクロールしてもスクロールしても終わりのない写真達。一体自分は何枚を撮ってきただろうと見てみれば、21,577枚の写真、647本のビデオ。これだけの写真が目の前に広がっていたら、軽く写真の海を泳げそうだな(笑)いや、にしても2万枚は重い。と必要のない写真を削除することにしました。
同じような写真が何枚もあり、ベストな1枚を残してあとは消去。思い出も振り返りながら、見ては消し、見ては消し。そんな作業を延々とやる。結構消したと思っていても、まだまだ残っています。全部は無理だな…と諦めることに。結構容量は軽くなったので、気分的にはスッキリしましたが、あの時行った旅行のワンシーンも、記録としては残っていてもあんまり覚えていないもんですね。花火の動画だって、見れば「あの時のか~」とはなるものの、直接目に焼き付けておけば良かったなぁと後悔する始末。そういえば、娘の幼稚園最後の運動会が来週でした。「ちゃんと綺麗に撮影してね。」と言われているんですが、わざと撮影せずに、じっと目に焼き付けるように見ようかなと考えています。

夏よバイバイ

何もしない日が、ゆっくりと過ぎていきます。昼ご飯を簡単に済ませて、ベランダの植物に水でもやろうと窓を開ければ、涼しい風がずーっと入ってきます。夏が終わったか…そろそろ扇風機は使わなさそうなので、仕舞いましょうかね。季節家電は、シーズオフに綺麗にクリーニングをして片付けておくのが個人的な流儀。特に扇風機は羽根に結構ホコリが付いているので、来年に持ち越さないようアルコールスプレーとクロスでピカピカに磨きます。こうしておくと、翌年に「さぁ、夏が来たぞ!」と新品を開ける時のような気持ちで迎えられます。
窓を開けっぱなしにしておくのが気持ちの良い季節。夕方には、リビングの照明を消すと、部屋の温度がぐっと下がって心地が良い。そして、音楽も流しません。段々暗くなってくるこの時間が、部屋と共に電源を切っているようで。空っぽになれて、なーんもない感じがして癒されるんですね。そうそう、フランス語で休暇を意味する“vacances(バカンス)”という言葉の語源は、ラテン語のvacoからきているそうで、自由な・空っぽになるという意味があります。忙しくしていた脳を空っぽにすることで、次に備えるわけですね。

リゾート地で「なにもしない」のは、羨ましがられる一方、「家で、なにもしない」のはどう思われるでしょう?せっかくの休日なのに、家でごろごろしているだなんて不健康きわまりない、と感じる人も多いのではないでしょうか。場所が違うだけなのに、不思議なものです。

それはバカンスか

今日の夕飯は、ゴーヤチャンプルー。今年の夏はよく作ったなぁ。「アレクサ、沖縄の音楽をかけて。」と声を掛けると、結構良い感じのプレイリストを再生してくれます。沖縄、来年は行きたいねぇ、なんて話しながら家族団欒を楽しめば、そこは琉球時間。場所を移さなくても、家のなかで、仕事態勢から「なーんにもしない=vacoモード」に切り変えることさえできれば、きっと、バカンスと同じ効用を得られるのかもしれません。

つづく
和田 健司
和田 健司
オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。
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