可憐に色づく春の花。

ストア:石木花掲載日:2020/02/05

美しい日本の花 特集④ ~日向水木~

日本の春を彩る色々な花をご紹介する本企画。
第4回は「日向水木(ヒュウガミズキ)」です。
レンギョウや万作(まんさく)など、
早春の花木(かぼく)には黄花のものが多くみられます。

その中でも日向ミズキはやさしい色彩で
枝先から数輪の花を咲かせます。
春の柔らかな日差しがよく似合う可憐な花です。

目を奪われるような派手さはありませんが
※茶花 のように、どこか人の心を落ち着かせる静かな魅力があります。

※ 茶道で茶会の席に飾る花のこと。
飾らない山野草の素朴な一輪挿しなどが多く、
創作性を表現する華道とは対照的なものです。
(可憐に咲く日向水木の花)
(可憐に咲く日向水木の花)

日本の自生種です

日向水木は石川県、福井県、京都府、兵庫県など
日本海側の一部地域に分布する日本自生種です。
春には山野を淡い花で彩ります。

謎多き「名前の由来」

日向水木は名前の由来について謎の多い植物です。

「日向」については、宮崎県の自生は後年の発見であり、
日向(ひゅうが)地方が由来ではなさそうです。
また別名を、伊予水木(いよみずき)言いますが、
伊予(愛知県)にも自生はありません。
トサミズキに対して小さいので、ヒメミズキが訛った、
あるいは、自生発見が京都付近なので、「日向守光秀」から、
など諸説ありますが正確な所は不明なようです。

「水木」に関しては、ミズキ科とは関係ないのでこちらも不明。

自生地とまったく異なる和名がつけられたり、
ミズキ科でもないのにミズキと言われたり、
植物学の分野もけっこう煩雑です。

日向水木のお手入れ

(花がらを切る図。根元に新しい葉が出てきています。)
(花がらを切る図。根元に新しい葉が出てきています。)
日向水木は枝ぶりが細かく仕上がるという特徴があります。
また、耐寒性や耐暑性に優れ育てやすい樹木で、
病害虫の発生もほとんどなく、初心者でも安心して育てることができます。

樹形については、自然樹形の美しい木ですので
樹形を乱す徒長枝(とちょうえだ=強く伸びる枝)を
選定(せんてい=枝を切ること)する程度で十分です。
日向水木は萌芽力(萌芽力=枝に芽を出す力)が強いので、
安心して選定に挑戦できるでしょう。

また、花の後には葉が出てきますが
その前に花がらを切り取りすっきりさせてあげましょう。
新しく出てきた葉は切り取らないでくださいね。

剪定や花がら摘みなど、ちょっと手間はかかりますが
お手入れするほどに愛着も深まります。

(※より詳しい育て方は石木花図鑑で紹介しています。
 気になる方は下のリンクよりご覧ください)




まるい蕾がゆっくり膨らみ、やがて可憐な花を咲かせます。
その過程を身近に愛で楽しんでみてはいかがでしょうか。

可憐で素朴な趣の日向水木は、暮らしの中に
穏やかで静かな時間を運んでくれるでしょう。



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