oldwhiteの器のおはなし

ストア:よしざわ窯掲載日:2023/09/13
こんにちは。
よしざわ窯からのお知らせです。

今回は、白と茶色のコントラストが豊かな表情をみせてくれる「oldwhiteの器」のおはなしをお届けしたいと思います。

他の器とはちょっと違う、oldwhiteのつくりかた

よしざわ窯の作業場にある食器棚でも、かなりの容量をしめている「oldwhite」の器たち。
他の器たちとは材料も工程も異なり、手間も時間もかかるのですが…
ひとつの器に白と茶色の2色を使うことができるので、デザインの可能性にも幅が生まれ、いろいろなチャレンジができます。「こんな器をつくりたい」という願いを、たくさん叶えてくれるのです。

それから、同じようにつくっても、いつも個性豊かな表情を見せてくれるところも特徴のひとつです。
だけど、うまくいかずに全部お蔵入りになったり、焼き直したりすることも多い…。
そんなところもあり、手がかかる分とてもかわいく感じられるのが「oldwhite」の器たちです。

では、どんな風につくっているかというと…
いろいろなoldwhiteの器たちの写真と一緒に、お届けしていきます。
まずは、粘土から器の形に。
薄くスライスした粘土を石膏型に押し当ててつくる「たたらづくり」で製作しています。
ここまでは、他の器たちと同じです。

コントラストを生み出す「化粧」

生地ができたら、化粧泥を掛けて「化粧」をします。
oldwhiteの器が他と違う理由のひとつが、この「化粧」。
ひとつの器のなかでも、化粧をした部分(=白)と、しない部分(=茶色)で色が大きく異なり、コントラストが生まれます。

この化粧泥をそそぐ量や泥の厚み、濃淡、泥をのせている時間…等々、さまざまな具合の調整で、模様の出方が大きく変わってきます。製作メンバーの腕の見せどころです。
粘土の生地の色とは変えてみせたいところだけに化粧泥を残し、他は拭き取ってきれいにします。
その後はよく乾かして、素焼きへ。
たくさんの器たちと一緒に積み重ねて、窯の中へ。
上の写真の窯の中で、右下の赤っぽいのがoldwhiteの器です。

焼く前は、ベージュや薄い茶色のような感じですが…
素焼きを終えると、化粧をしていない部分は赤みの強い茶色になります!

oldwhiteの器が他と違う2つめの理由は、「赤土」。
赤土の粘土を使っているので、化粧・素焼きを終えたときには色がしっかり・はっきりと分かれるのです。
素焼きの後は、薬掛け。
土灰を使った、透明なツヤの出ない釉薬を器全体にかけていきます。
はっきりと色が分かれていた赤土の部分と化粧をした部分が、このときは均一で同じ色に。
せっかく色を分けたのに…と思ってしまいますが、これがまた大きく姿を変えるのです。

「還元」という方法で焼成

oldwhiteの器が他と大きく違う3つめの理由は、「焼成方法」。
よしざわ窯の大半の器たちは、窯に酸素を取り込みながらの「酸化」という焼き方をしていますが、oldwhiteの器たちはできるだけ酸素を取り入れずに焼く「還元」で焼きます。
窯の中に酸素を取り込まないように焼成するので、上の写真のように、確認窓を開けると炎が外まで飛び出してきます。これが、きちんと「還元」で焼けている証拠です。
きちんと還元がかかり、うまく焼けますように…
この日の窯場担当はアラカワさん。
細かく温度をチェックして、記録をつけています。
焼成が終わり、ゆっくり時間をかけて冷ましてから、窯から出てきたoldwhiteの器たち。
このときの窯では、食パンにいちご、ひょうたんのお皿が良い感じに焼きあがっていました♪
化粧をした部分は白く、していない部分は茶色に。
白っぽい部分の中に、いちごのつぶつぶや食パンの焼き目がうまく表現できました。

こんな感じで、oldwhiteの器たちは今日もつくられています。

 * * *

来週9月20日(水)午前11時には、今回ご紹介したoldwhiteの「くじらのお皿」を2種類、入荷予定です。

他にもたくさんの器たちをご紹介していますので、よしざわ窯のストアページもぜひご覧ください。
「お気に入りストアに追加」も、お待ちしております。
ストア紹介

よしざわ窯

「器と楽しい日々を」をモットーに、栃木県益子町で器づくりをしている製陶所です。 年間に製作する器の種類は約700種類。すべてオリジナルデザインです。店舗はなく、製作した器は自分たちで運営している生活陶器...もっと見る