sisam FAIR TRADEのお洋服や雑貨は、生産地で昔から脈々と受け継がれてきた「手しごと」によって支えられています。

決して均一ではないけれど、人の手のなかで生まれた温度あるもの。
私たちはそこにこそ多くのメッセージが込められていることを知っています。

12回に分けてお届けする、大切でいとおしい手しごとのお話。

今回は第10話「手紡ぎ」のお話です。
古くから続く、インドの手紡ぎの世界をお楽しみください。

自然の恵みであるコットンやシルクから、人の手のなかで時間をかけて細い細い糸を生みだしていく。
途方もなく繊細で原始的なこの手仕事は、古くから脈々と紡がれてきた人々のメッセージでもあります。

手紡ぎの糸は繊細で、太さも不均一なため、機械では織ることができません。

決して均一にはならない凹凸ある手紡ぎの糸。織りなす生地の美しさは唯一無二です。

いま、インドでは手紡ぎの仕事が途絶えつつあります。
それは、かけた労力と時間の割に、お金にならないからといいます。

育てた綿花から、チャルカで糸を紡ぎ、自らの身体をつかって織り上げる。
その営みが、昔話として語られる未来がくるのかもしれません。

手紡ぎ・手織りのカディの衣服やシルクショールを通して、 この手仕事の"原点"に、たくさんの方が出会っていただけることを願っています。