東京・⻄麻布のフレンチレストランの名店『L'Effervescence(レフェルヴェソンス)』のエグゼクティブシェフ、生江史伸さんとのコラボレーションでデザイン製作したカトラリーレストです。

「ナイフ+箸」というレフェルヴェソンスの特徴ある使い方だけでなく、家庭では「ナイフ+フォーク」、 または単なる「箸置き」としてなど、普段のカトラリーレストとしてもご使用いただけます。

東京・⻄麻布のフレンチレストランの名店『L'Effervescence(レフェルヴェソンス)』が、2020年に10周年を迎えるにあたり新たに提案する食の味わい方が、日本の文化であるお箸と食事の最初から最後まで1本のラギオールナイフを使うというもの。

料理ごとにカトラリーを替えるのが常識とされている中で、パンで拭いながら料理の最初から最後まで 1 本のナイフと食事を共にするというスタイルは、ナイフが作られているフランス・ライヨール村の「幼少期にもらったナイフを生涯を通して使い続ける」という習慣への精神の継承であり、様々な柄のラギオールナイフから好みの1本を選ぶことから食事ははじまります。

そのためのナイフレスト(兼箸置き)を、ボーペイサージュの岡本さんを介して、レフェルヴェソンス・エグゼクティブシェフの生江史伸さんとのコラボレーションでデザイン製作をしました。

使われているオーク材は、レフェルヴェソンスでもリストアップされている、同じ北杜市のワイナリー『BEAU PAYSAGE(ボーペイサージュ)』のワインを、10年以上仕込んで役目を終えたオーク樽をアップサイクルしたもの。
⻑年ワイン熟成に使われていた材はワインの色が染み込み、ナイフレストのオーク材に現れるグラデーションはその⻑いときの蓄積を感じさせます。

ワイナリーのオーナー、岡本英史さんが作り出すワインは、ぶどうを丹念に育てるところからはじまり、その土地のあるがままの味を十二分に引き出すことに徹した過程を経て熟成され、自然そのもののワインとなります。
それは自然がワインを作り、自然を守ることがワインを作ることでもあるという大きな「循環」を意味する行為にもつながっています。

同じように、樹齢100年以上のフレンチオークから作られ使わなくなったワイン樽も、次の形へと変えて使い続けて行く「循環」になるように、という想いが込められています。

樽材を削ると工房中に広がるワインの薫り。ときにほろ酔い気分で製作しているカトラリーレストは、ろくろ削り(木工旋盤)から生まれる曲線を活かしたつくりで、1 つの塊(かたまり)から半割りにすることで 2 つのピースができあがります。

組み合わせた底板の真鍮は、深味を帯びたオーク材をより引き立て、ずっしりとした存在感を与えています。

レフェルヴェソンスの美意識が行き届いた空間と絵画のような料理に調和するように、白いテーブルクロスの上に ”浮かぶ島々のような景色” と ”カトラリーを支える佇まい” を思い浮かべてデザインしました。