『ときめきくらしびと』第6回 打谷マキコさん|魅力をミックスすればよりいとおしく―「好き」の理由を自覚する

ストア:くらしきぬ掲載日:2022/05/25

ときめきくらしびと 第6回 打谷マキコさん

くらしきぬのお客様とのおしゃべりを通じて、日々の暮らしの中で「ときめき」を見つけるコツを探る『ときめきくらしびと』。第6回は、インテリアショップのマネージャーとして活躍する打谷マキコさんにお話を伺いました。
インタビューの依頼をしたところ、「自宅でもいいですか?」とうれしいご提案をしてくださったマキコさん。お家の中には、和風なもの、西洋的なもの、新しいもの、古いものが心地よく同居していて、「みんな違って当たり前」と語るマキコさんのやさしいまなざしを感じます。柔軟ながら、「らしさ」を身に纏う人の物の選び方を覗かせていただきました。

プロフィール

打谷マキコさん|岡山県出身/在住・インテリアショップ「axcis nalf」「AXCIS CLASSIC」 マネージャー。大学卒業と共に、岡山市内の雑貨、照明、家具のメーカーで働き始め、13年間この道一本。今はマネージャー業を務めながら、お二人のお子さんを育てる。お気に入りのインテリアは、初めて買付へ行ったときにイギリスで出会った 1800年代のウィンザーチェア。

幼い頃から身近にあった異国のアンティーク雑貨

―とっても素敵なお家ですね…。インテリアショップで働かれているマキコさんですが、雑貨には小さい頃から興味があったんですか?
父が雑貨メーカーを経営していたので、幼い頃から雑貨はそばにありました。あとは両親が結婚したときに「年に1回は海外旅行をする」という約束をしていて、よく家族で海外に行っていました。行く先々で、古いもの好きの父がアンティークショップを見つけてはどんどんと中に入っていって…アンティークに触れる機会は多かったと思います。
―なんと…!羨ましい環境です。
幼い頃の私は古いものの魅力に気付けていなかったので、「お父さんったら、また行ってるなぁ」という感じで見ていました(笑)でも年齢を重ねるにつれて、だんだんと古いものの面白みがわかってきたんです。それからは積極的にお父さんの行く場所に付いて行くようになり、埃っぽくて上から下までぎっしりと雑貨が詰まったお店を訪れるのも楽しかったです。
―そんな経験が今のお仕事にも繋がっているんですね。
就職する時は、単純に旅行が好きだから旅行会社とかもいいなと考えていたのですが、ちょうどそのタイミングで父がお店を始めてみるという話になりました。それまで両親の会社で働くなんて考えたこともなかったのですが、チャンスかもしれないと思って、就職を決めました。人と話すのも雑貨も好きだったので、始めてすぐに「向いているな」と思いました。
―就職してから今まで、ずっと今のお仕事ですか?
そうですね。働き始めてから13年間ずっと、この仕事を選んでよかったと思えているので、幸せなことだなぁと思います。
▲ 何事も、物事の「明るい面」に目を向けるマキコさん。話していると、こちらまで愉しい気分になってくる。
▲ 何事も、物事の「明るい面」に目を向けるマキコさん。話していると、こちらまで愉しい気分になってくる。

「好き」を見つけることがセンスを磨く第一歩

―お店で商品を仕入れる時は、どのような基準で選んでいるんですか?
基準は、自分たちが「いいな」と思ったものですね。スタッフが一人加わると新鮮なものが足されたり、私自身も年齢を重ねるにつれて好みが変わったり、その時にいるメンバーによって商品構成が変わることもあります。
―おもしろい…!スタッフと共にお店が成長しているようですね。
今までのお店の雰囲気とは異なるものも、提案してくれるスタッフは「こういうお客様が来店してくださっているのにあまり買うものがないから、これもあった方がいいと思います」とちゃんと理由を持ってくれています。自分たちの「好き」とお客様の「好き」を想像してかけ合わせることでチャレンジができています。
―訪れるお客様の存在があるからこそ、お店も変化していけるんですね。ものを選ぶセンスは、どのように磨かれると思いますか?
日常で出会ったり触れている素敵なものや人、風景やアートなどの様々なものの中から、「好き」を見つけることが第一歩でしょうか。それを生活や習慣、考え方、服装に至るまで、広い意味で自分の表現に取り入れて暮らすことで、センスは磨かれていくのかなぁと思います。
▲ マキコさんが働く「AXCIS CLASSIC」の店内。商品のひとつひとつに「想われて、選ばれたんだろうな」という気配を感じるお店には、温かい空気が流れている。
▲ マキコさんが働く「AXCIS CLASSIC」の店内。商品のひとつひとつに「想われて、選ばれたんだろうな」という気配を感じるお店には、温かい空気が流れている。

異なるものをミックスすることが好き

―私生活ではどんなものがお好きなんですか?
古いものと新しいものだとか、作家さんが作られた一点物と量産されているプロダクトだとか、異なるものをミックスして生活に取り入れるのが好きです。どちらかに縛られるのではなく、自分が好きだなと感じるものを否定せずに自然に受け入れて、一緒に使いたい。あとは木や土からできていたり、ガラスだったり、昔から生活の中に存在した自然由来のものは好きですね。プラスチックや樹脂も便利だなとは思うのですが、敢えて買うことはほとんどないかもしれません。全体的に、ちょっと落ち着く素材が多いと思います。
―特定のものに偏らず、まぜこぜに使うって素敵です。量産のものもお好きなんですね。
量産のプロダクトも、よく考えられているなと感じるものは好きです!作家さんの一点ものは、作家さんの感覚や素材の状態なども関わってきますよね。それが個性や味となって愛着が湧いたりするのですが、一方、量産されているプロダクトは、量産できる体制や多くの方に好まれる形だとかが、すごく考えられていると思います。逆に言えば、そういったことが考えられていないものは好きじゃないです(笑)
―たしかに一口に“量産”と言っても、人間の知恵がものすごく結集されて生まれたものもあれば、ただ大量生産を掲げて適当に作られたものではまるで違いますもんね。
多くの人に快適に使ってもらって、その人の生活が良くなりますように…という気持ちは、やっぱり物を通じて伝わってきます。昔からずっとある道具などもそうですよね。
―両方の魅力をわかって、ミックスして取り入れられるというところに、マキコさんのやさしいものの見方が反映されているようです…!
実家がホームステイとして留学生の受け入れをしていて、小さい頃から当たり前に色々な国の人がいて、異文化がそばにありました。また20歳のときに1年間ニュージーランドに留学をして、国籍問わず友達ができて、「人がそれぞれ違うのは当たり前」と思うようになりました。それぞれに、異なる素敵な部分がありますよね。
▲ 留学中に出会った南米やヨーローッパ出身の友人たち。自分自身や自国への誇りを持つ友人の姿に驚くと同時に、自分もそうなりたいと強く感じたという。
▲ 留学中に出会った南米やヨーローッパ出身の友人たち。自分自身や自国への誇りを持つ友人の姿に驚くと同時に、自分もそうなりたいと強く感じたという。

「好き」の理由を考えること自体がときめき

―今は、毎日どのようなリズムで生活を送っていますか?
子どもが生まれてからガラリと変わり、色々模索したのですが、今は夜21時に寝て、朝4時に起きるという生活が定着しました。最初は子どもが生まれる前と変わらない生活をしていたのですが、子どもを寝かしつけていると、つい寝かけてしまうんです。やりたいのにやれていないことが積み重なっていくとストレスが溜まってしまうので、思い切って子どもと一緒に寝て、朝好きなことをするようにしたら解決しました。

―しっくりくるリズムを見つけるまで時間がかかりそうですね。
そうですね。一人目を産んだときは、今よりも仕事第一だったので、ペースを掴むのに時間がかかりました。産後3ヶ月で仕事に復帰して、なるべくお店に長くいられるよう工夫をしたんです。お店にベビーベッドを置いて、授乳カーテンを作って、息子を連れて行っていました(笑)
―そのチャレンジはすごいです…!
でもやっぱり気付かないうちに無理をしているので、家での生活や自分自身の心のバランスがちょっとずつ乱れていってしまうんです。息子がハイハイするようになってからは、元気に動き回る姿を見て、もっと自由に動きたいよね…!と気付かされました。「子どもとも一緒にいたいし仕事もしたい」という自分の気持ちばかりを優先させているなと。9ヶ月目で保育園に預けて、子どもは子どもで保育園で色々なことを経験して、私は私で仕事に集中して、おうちに帰ったら家族一緒の時間を過ごすというリズムが生まれました。娘を産んだ時には、だいぶ仕事と私生活のバランスを作れていたと思います。

▲ インタビューには、元気いっぱいな娘さん「みーちゃん」とお二人で対応してくださいました。
▲ インタビューには、元気いっぱいな娘さん「みーちゃん」とお二人で対応してくださいました。

実体験として試せるから、健康にいいものが好き

―健康面ではどんなことに気を使っていますか?
健康にいいものが中高生のときから好きで、その頃から「健康オタク」ってからかわれたりしていました(笑)今はストレッチをしたり、子どもたちと身体を動かして遊んだり、体を冷やさないように気をつけています。あと腸のために、発酵食品を摂ることはずっと続けています。健康にいいことって、人からはすごくいいって聞いていたけど、自分には合わなかったなとか、実体験として身体で試せるから好きですね。
―まるで実験みたいですね!冷えとりをご存知になられたきっかけは何でしたか?
そうそう!実験結果がよかったものだけ生活の中に残っていきます(笑)冷えとりのことは『マーマーマガジン』※で知って、衝撃が走りました。元々湯たんぽを使っていたりはしましたが、冷えとりに絹を取り入れることは知らなかったので…。締め付けないことの大切さや、シルクの心地よさは体感としてわかっていたので、自然に取り入れることができました。昔は靴下も4枚履いていたのですが、今は1枚で内側シルク外側ウールという便利なものもあるし、なるべく無理のない方法で続けられたらと思っています。

※『マーマーマガジン』・・・服部みれいさんが発行人の不定期刊雑誌。

「ん?」と見つめる時間を欠かさない

―日々の暮らしの中では、どういうときにときめきますか?
やっぱり日常過ごしている中で、ちいさな喜びを見つけたときでしょうか。朝起きたとき、窓の外を見ると真っ暗だったのに、ちょっとずつ明るくなってきて、そのときの空がきれいだなぁとか、ちいさなこと。
―今までで、ときめきの感度が鈍ってしまったことはありますか?
もう来ないといいなぁとは思いますが、何度かあります。仕事がすごく好きなのですが、やっぱり余白がないと呼吸が浅くなり、息がつまってくるような感覚があります。それに気付いてからは、意識的に、ちょっと立ち止まって考える時間を作るようになりました。考えること自体が、自分にとってうれしい行為なので。
―「立ち止まる」って本当に大切ですよねぇ。
あとは好きなものに対して、なぜこれが好きなのか理由を発見したときもときめきます!例えばひとつの器にしても、「ん?」と立ち止まって見つめると、「ここの薄さかぁ!もし厚かったら、やぼったくて好きじゃないかもしれない…!」という発見が訪れるとすっきり(笑)人や風景も、同じだなぁって思いますね。
―最後に、マキコさんにとって、ときめきとはなんでしょうか?
「ちいさな喜び」です。

マキコさんのくらしきぬ愛用品

▲ レッグウォーマー薄手ロングタイプ。薄手なのに温かくて、ふわふわな生地感がすごく好きです。マルチウォーマーとローテーションで使っています。
▲ レッグウォーマー薄手ロングタイプ。薄手なのに温かくて、ふわふわな生地感がすごく好きです。マルチウォーマーとローテーションで使っています。
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くらしきぬ

倉敷発、天然素材の靴下とインナーウエアのくらしきぬです。 せわしない日常の中で、ふわっと体も心もあたたまって「目の前の景色を大事にしたくなるものを」をお届けします。もっと見る

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